機構の耐久性基準では、地面への防蟻措置として、
- 基礎を鉄筋コンクリート造のべた基礎とする
- 地面を一様に打設したコンクリート(鉄筋が布基礎部分と一体化したものに限る。)で覆う
- 床下地面に薬剤を散布する、防蟻効果を有するシートを敷設する若しくは樹脂皮膜を形成する
の3通りありますので、1または2を選択した場合には、地面への防蟻薬剤の散布等は不要としています。
つまり、 「防腐・防蟻措置」の仕様では、木部の防腐・防蟻措置は以下の2つになってます。
・ひば、ひのき、すぎ等の耐腐朽性及び耐蟻性のある樹種を用いる
・べた基礎
のどちらかを行えば、薬剤処理しなくてもよいとされています。
防アリ性の材木か、ベタ基礎であれば薬剤は使わなくていいのです。薬剤以外の措置があることを、工務店も設計士もいまだに誤解しています。
木の耐腐性・耐蟻性については<木材のちがい>を参照下さい。
■建設省の提唱内容
建設省は防蟻・防腐措置として以下の4つ1.樹種の選択
2.構法による対応(軒の出を深く、1階床を高く、通風のよい構造により雨水や湿気から建物を守る)
3.建物の保守・管理(こまめに手入れ修復を実施)
4.薬剤処理
すなわち、防犠牲・耐腐性の大きい材木を用い、できるだけ乾燥した状態を保つこと。そして木の状態をいつでも確認できるようにすること、1〜3の方策をしっかり立てることで十分可能なのだと考えます。
薬剤注入されていると絶対大丈夫ってことではなく、シロアリが寄りつきづらくした上で、点検を怠らないというのが、結局最大の防御法(メンテナンス)である。
■日本シロアリ対策協会仕様書
使用する薬剤・工法などは、協会で認定登録又は登録されたとおり行う。予防処理は土壌処理法と木材処理法で行う。――薬剤を撒きなさいとの指示
しろあり予防処理を行う者は、処理をした建築物の記録として、次の事項を保存する。保存の期間は5年とする。
@ 建築物の名称、所有者、住所
A 処理の年月日
B 建築物の平面図及び予防処理の箇所
C 薬剤の名称、濃度、使用量、予防処理の方法
D 予防処理の担当者の氏名
日本しろあり対策協会は、シロアリ防除の徹底をはかり国民生活の安定と国富の維持増進に寄与したいと設立された社団法人です。社団法人とは、いわゆる関係省庁所管の公益法人のことです。天下りや税金のムダの温床と指摘されている団体がたくさんありますね。
シロアリ駆除の専門家や業者が、公益のためとして、自分たちの権利や企業を守るために存在していると言ったら言い過ぎでしょうか?もちろん社会に寄与していることも多々あります。
日本しろあり対策協会は、協会が認可した薬剤を使い、薬剤処理を勧めています。個人的には、何でも「大量散布」など、あまり共感できない部分もあります。
正しいシロアリ対策・シロアリ駆除とは?
シロアリ対策は、薬剤の処理や床下換気扇などの付属措置をするだけで完全とは言えません。家屋の設計や構造での工夫も必要です。さらに、人によって定期的な目視点検が欠かせません。この3つの要素がバランスよくできるシロアリ対策が正しいシロアリ対策なのです。リフォーム・改築でやってはいけないこと
リフォームがシロアリ被害を誘導してしまうこともあります。@安易にコンクリートで地表を覆わない。
コンクリートで地表を覆うことで、それまで地中で静かにしていたシロアリが活性化され、シロアリ被害が誘発される場合があります。本来は、庭などは、雨などが直接降り、シロアリが地表に出ない環境であったが、コンクリートで覆うことにより、シロアリが住みやすくなり、活性化します。束石回りをコンクリートで埋めたり、古い基礎回りのを埋め、近くまでシロアリを呼ぶこともあります。A増築の時の基礎は注意!
増築の場合の基礎は、二重構造にしないこと。2重にする必要がある場合は、ある程度すき間を空け、基礎どうしの間が見えるようにしておくこと。シロアリの侵入が確認できるようにしておくことです。また、既設家屋につなげて新しい基礎をつくる場合は、旧基礎の仕上げのコンクリートを除去して、改めて新旧の基礎の接合仕上げをしておきましょう。(接合部が侵入を誘導することが多い)
Bコンクリートブロック基礎
ブロックを基礎に使用する場合は、接合部だらけとなり、すき間からシロアリが侵入してきます。こんな時は、基礎パッキンを活用して防止しましょう。C土間からの改造
D耐震工事での注意点
ガーデニング・ウッドデッキ
色とりどりの草花に囲まれて気持ち良く過ごされているご家庭のみなさん。木製商品に「シロアリに強い」「シロアリ薬剤処理済み」など書かれているが、根拠があまり期待できません。信用しないでください。
花壇の枕木や杭などは、木製火を使用しないようにしましょう。またウッドデッキなどは地面に直接接しないようにし、シロアリの被害が確認できるような構造にしましょう。
鉢などは、コンクリートやプラスチックの台の上に置きましょう。